こんにちは。しゅふまるこです。
突然ですが、我が家では毎週家族みんなで観ている音楽番組があります。
NHKEテレで毎週金曜日の夜9時半から放送している「らららクラシック」という番組です。
うちの家族はこの番組が大好きです。
番組では毎回クラシックの事をとてもわかりやすく説明してくれます。
私はこの番組のお陰で堅苦しいと思っていたクラシックが聴けるようになりました。
改めて番組でこの曲の説明を聞いて、魔王がどうしてこんなにも印象に残るのかが理解できました。
とても面白かったのでブログに書き留めておきたいと思います。
シューベルトの「魔王」は昭和37年から50年に渡りずっと教科書に載っています。
詩と音楽の関係を学ぶのにとても良い教材なのだそうです。
目次
「魔王」とはどんな曲?
「魔王」ってどんな曲だったか覚えていますか?
番組での説明です。
語り
夜遅く風をついて馬をとばすのは誰か?
それは子供を連れた父親
(しっかりと子供を抱きかかえる父。しかし子供には魔王の声が聞こえてくる)
魔王(長調~明るい響き~)
可愛い坊や、一緒においで!
とっても楽しい遊びをしよう。
(「魔王がいる」と必死に訴える子供ですが、父にはそれが理解できません)
こども(短調~暗い響き~)
お父さん お父さん 聞こえないの?
魔王が僕にささやくのが
父(長調~明るい響き~)
落ち着きなさい 坊や
風に木の葉が音を立てているのさ
以下省略しますが
教科書にはこのように載っています。
恐怖の叫びは伝わらないまま、子供は父の腕の中で息絶えてしまいます。
曲を聴くと、子供が短調で表現されているのに対して父親と魔王は長調で表現されています。
よって、お父さんは実は魔王に近い心情・・・
子供の気持ちに共感していないのです。
ますます子供が一人ぼっちで不安な感じになっていきます。
子供の「お父さんお父さん」という声がどうなるかというと…
どんどん声のキーが上がっていってます。
恐怖の目盛りも上がっていくというしかけになっています。
恐怖感がどんどん高まっていきます。
詩だけじゃなくてメロディーラインも全部ドラマチックに計算しつくされているのですね。
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どうして中学1年生の教科書に載っているのか
尾木ママの言葉です。
中学1年生は体が変化してくる時です。
自分の体の変化を通して精神的な面でもお父さんお母さん、学校の先生っていう権威に対する反発心が生まれてきます。
いわゆる反抗期に入るのです。
お父さんから自立しようとし始める時なのです。
心が揺らいできた時期に「魔王」を聴くととても共感できるのではないでしょうか。
シューベルト自身も父親との関係に悩んでいたそうです。
父が求めるものと自分の生き方との間に極めて根本的な亀裂を感じていたそうです。
中学1年生の頃、私も親に共感してもらえなかった
私も中学1年生の頃は親に何を話してもあまり共感してもらえませんでした。
っていうかあまり話をした記憶がないかも。
ですから心の中はいつも一人ぼっちだったような気がします。
この曲がこんなにも印象に残ったのはやはり「中学1年生の時に聴いた」という事が大きいような気がしてなりません。
曲を聴いていると父と子どもの「温度差」をとても感じます。
魔王よりもお父さんの声の方がずっと恐く聞こえてきます。
中学1年の息子を持つ親として子供の気持ちに「共感してあげたい」と思った
現在、我が家には中学1年生の息子がいます。
「お父さんお父さん」というフレーズが、息子の「わかってくれよ~!!」という心の叫びのように聞こえます。
中学1年生は本人が思っている以上に、もの凄い速さで心も体も成長しているのかもしれません。
自分でもきっとそれがわからずどうしてよいのかわからない状態なのかも…
私は母親なので父親とはスタンスが違うと思うのですが、旦那には「魔王」に出てくる「父親」のようにはなってほしくないなと思いました。
改めて、「魔王」という曲は、思春期の子供の心の叫びがダイレクトに聞こえてくるような曲だと思いました。